選書・叢書
格差社会と教育改革 (岩波ブックレット)
   苅谷 剛彦,山口 二郎,岩波書店
 
 苅谷氏の本は初見であったが、確かな政治学者である山口氏が共著するだけある教育学者だった。  前半の苅谷氏の公演を読み、格差を「不平等」と言い換えるセンスのみならず、国家予算と事務教育費、双方の伸び率が比例しない点、PISAの数学力変化グラフで、学力の低い子が更に低下した点、やがて来る教員不足などの指摘などを読み、実際にそれを聞きたくなった。  対談部分でも、フィンランドモデルを紹介する本を時折目にするが、北欧型でも能力が高くても職に就けないとの問題点を、指摘.. ¥ 504


杉並区立「和田中」の学校改革―検証地方分権化時代の教育改革 (岩波ブックレット NO. 738)
   苅谷 剛彦,岩波書店
 
よのなか科、ドテラ、夜スペ、地域本部とこれまでの教育業界とは一風異なった取り組みを積極的に展開し、マスコミなどで広く知られることとなった和田中。ある意味日本で最も有名な公立中学校かもしれない。本書では藤原和博校長を中心とした和田中学校の学校改革について学者の視点から考察を行ったものである。 学者の視点からと言う意味で興味深いのは和田中の「普通の公立中学校としての顔」を強く意識して和田中の変化を捉えようとしたところである。特殊な取り組みばかりが注目されるが、... ¥ 609


学ぶこと思うこと (岩波ブックレット)
   加藤 周一,岩波書店
 
02年6月に東京大学教養学部学生自治会が新歓企画で加藤周一を迎えて行った講演会の記録である。東大生を相手にしているためか、わりと堅苦しい話から始める。すなわち『学びて思わざればくらし、思いて学ばざればあやうし』これは『論語』の中の言葉である。更には『学ぶためには何が必要か』という話に発展させる。しかし加藤が一般的な『学問の心得』の話で終らすはずが無い。それはつまり『学びて思わざればくらし』にも通じる。加藤は自分自身が持つ『問題意識』を学生にぶつける。「若者... ¥ 504


易―中国古典選〈10〉 (朝日選書)
   本田 済,朝日新聞社
 
岩波文庫の「易経」だけでは、何がなんだかちんぷんかんぷんだった時に、本書に出会いました。その結果、今まで疑問だったところが一気に晴れ、一つ一つの卦が風景を伴って理解出来ました。 易経を単なる占いの本とせず、道を解き明かす書として扱っている点にも好感を持ちました。 「易経」の解説書として、「易経」とワンセットで買うことをお勧めします。 ¥ 2,447


イギリス「教育改革」の教訓―「教育の市場化」は子どものためにならない (岩波ブックレット NO. 698)
   阿部 菜穂子,岩波書店
 
 元毎日新聞社記者で、2001年からロンドンに住み、2人の男児を育てている女性が、2007年に刊行したブックレット。1988年以降イギリスでは、サッチャーが学力向上のために現場の反対を押し切って(原案も歪曲)、教育に中央集権的性格と市場原理を導入し、統一カリキュラム・統一学力テストの設定、テスト結果の公表による学校間競争とそのための学校自治の法的保障、それによる親の学校選択権の保障、国家による強力な学校査察制度の導入を行った。ブレアは基本的にそれらを継承しつつ、教育費.. ¥ 504


秘伝 中学入試国語読解法 (新潮選書)
   石原 千秋,新潮社
¥ 1,575



競争しても学力行き止まり イギリス教育の失敗とフィンランドの成功 [朝日選書831] (朝日選書 831) (朝日選書)
   福田 誠治,朝日新聞社
 
この本では、テストがないのに国際学力テスト1位のフィンランドと、 最近の日本の「全国学力テスト」とその結果による学校ランキングという 教育改革のモデルとなったイギリスの教育を比較することで 現在の日本で本当に必要とされる教育モデルを探っています。 当たり前かもしれませんが、どこの国でもよりよい教育を 子どもに与えようと研究、努力はしています。 日本での全国学力テストの再開も、その一端ではあると思います。 けれど初年度の結果は、教員などによるテストの不正が行われる.. ¥ 1,260


歴史物語 朝鮮半島 (朝日選書)
   姜 在彦,朝日新聞社
 
朝鮮半島の歴史について一貫してかかれれた書籍はそれほど多くない。 どうしても、それぞれの王朝や、時代、もしくは特定のジャンルについてこだわる傾向の書籍が多いのだ。本書はそういったこだわりを捨てて、朝鮮半島丸ごとについて、簡潔にわかりやすく解説されている。 今までさまざまな朝鮮関連の書籍を読んでも理解できなかった、各時代における中国、日本、その他西洋社会との関係について、非常にわかりやすくまとまっており、やっと大まかな概要が理解できた。 よい本だと思います。 ¥ 1,365


習熟度別指導の何が問題か (岩波ブックレット)
   佐藤 学,岩波書店
 
PISAショックにより習熟度別指導の問題点が浮き彫りにり、同時にエリート教育も敗北であるという結果が出た。そのような現実がある中で、日本では公立校でも習熟度別指導を推し進め、塾でも個別指導塾が幅をきかすようになるなど時流とは完全に逆の方向に流れている事が分かる。一方でフィンランドのように複式学級制が多いなかで共同学習をとるシステムの成功がみられる。前者と後者は一長一短というものではなくかなり色濃く勝敗を分けている。エリート教育が目指す所の上位層のレベル向上... ¥ 504


「学び」から逃走する子どもたち (岩波ブックレット)
   佐藤 学,岩波書店
 
「子供たちは勉強漬けで窒息しそうになっている」という認識が疑いようの無い事実であるかのように言われてきました。 しかし本書は、そのような子供像は20年も前のものであり、今の子供たちはむしろ勉強から逃走しており、従来の認識は正しくないことを明らかにします。 このような現状は必ずしもこれまでの「ゆとり教育」路線を否定することに直結するものではありません。 しかし、ゆとり教育が「たるみ」として推進されようとするならば、本書の示す問題意識はゆとり教育に大きな問題提起... ¥ 504