歴史学
歴史とは何か (岩波新書)
   E.H. カー,E.H. Carr,清水 幾太郎,岩波書店
 
 E.H.カーの著作で、日本でとても有名な著作。自分も高校生の時に買って、何度も挑戦してはわかりにくくて放棄し、また読んでの繰り返しだった1冊。  今改めて読み返してみると、歴史の持つ個人的効用、社会的効用がわかり始めたような気がする。「歴史は現在と過去の対話である」という言葉がここではとても印象的に使われているが、じゃあなぜそんな対話をする必要性があるのか。  今の社会で広範に流布している風潮は「いまを生きよう」や、「二度とないこの瞬間を大事に生きていこう」と... ¥ 819


歴史序説 (1) (岩波文庫)
   イブン=ハルドゥーン,森本 公誠,岩波書店
 
翻訳物には、こなれていない日本語になっているのが少なくないですが、これは実にすばらしい日本語です。まずこのことを述べたいと思います。 それから、行き届いた注もありがたいです。たとえば、 「アラブ世界では九世紀以来、シリア語からのアラビア語訳聖書が流布しておりイブン=ハルドゥーンもおそらくそれに拠ったのであろう。」(363頁) イブン=ハルドゥーンの思索は、堅実で冷静沈着、学ぶところが多いです。環境と文明の関わり、王権や貴族性と連帯意識の関わり、その他、読み応.. ¥ 945


歴史序説 (2) (岩波文庫)
   イブン=ハルドゥーン,森本 公誠,岩波書店
 
この第2巻は第1巻に比べて非常に読みづらい印象を受けた。第三章では当時のイスラム国家における官職・制度・歴史的由来などについて述べているのだが、これはイスラム史に対する造詣が相当に深くないと多くを理解するのは難しいと思われる。しかしハルドゥーンの社会制度や王朝に関する洞察から伺える当時のイスラム社会は、非常に良く整備された秩序だっている文明社会であり、そこからは独裁者や強権のカリフの影は微塵も感じられない。おそらく彼ならばそのような暴虐な君主の影が見える王... ¥ 945


歴史哲学講義 (上) (岩波文庫)
   ヘーゲル,長谷川 宏,岩波書店
 
内容を一言で述べると、レビュータイトルの通りだが、以下、ここでは私自身の感想のみ述べたい。まず第一に、私はキルケゴールから哲学に入ったので、ヘーゲルのイメージは悪かった。だがキルケゴールだけを読むとヘーゲルを誤解する。ヘーゲルにはヘーゲルの正義がある。ただ単に冷たい理性の哲学者でなく、情熱を理解し、詩的な美しい叙述も含む、実に壮大な歴史の概観だった。 第二に、アジアに対する差別的発言や、ゲルマンについての自己満足的叙述があるにせよ、やはり世界史を一つの視点... ¥ 798


歴史序説〈3〉 (岩波文庫)
   イブン=ハルドゥーン,森本 公誠,岩波書店
 
第3巻の前半に当たる第五章では生計とそれに伴う文明社会の諸技術について詳述してある。商業論を含むこの章は本著の中でも現代における教養書として最も読み応えのある部分ではないだろうか。「商業に従事する者は詐欺や不正売買によって不利益を被らないように、ことがあれば論争や裁判をいとわない姿勢を示すことが大事である。ところで行為はその人の性質に影響を与えるが、論争好きという性質はその人の人格に決して良い影響を与えない。よって商人の人格は指導者のそれに劣る。しかし権威... ¥ 903


歴史学ってなんだ? (PHP新書)
   小田中 直樹,PHP研究所
 
歴史に興味があります。 歴史関係の本をよく読みます。 私はこれまで何度か発言してきましたが、 自分は歴史小説が好きなのであって、 歴史(史実)に興味がある事と同一でないと理解しました。 歴史は繰り返すと、誰が言ったのか不勉強ですが、 歴史から学ぶことがあるのは当然のように思っていましたが、 そもそも歴史は本当に役に立つのか、 史実は明らかにできるのか?を考えている方々がいて それが歴史家だということが分かりました。 少なからず歴史学の知識がつくと、 浅はかですが、... ¥ 714


物語の哲学 (岩波現代文庫)
   野家 啓一,岩波書店
 
著者の専門は科学哲学を中心に分析哲学や大陸系の現象学など広範囲である。哲学においても物語り行為は重要な役割を担う。かのカントの純理にしろ、フッセルのヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学にしろ、ハイデガーの名著存在と時間にしろ、著者が自ら訳し親炙したローティの哲学と自然の鏡にしろ、哲学書の論理的展開を支える強力な物語的構成力なくしては古典的な著作たりえない。たとえばアインシュタインの特殊相対性理論のシンプルな公式表現ですら、物語的ですらある。  そこで著者第1... ¥ 1,365


天皇のロザリオ 下巻 皇室に封印された聖書
   鬼塚 英昭,成甲書房
 
断片的な日本の近代についてのいくつかのイメージや仮説があるわけですけど、私たちはそれ以上のsynthetisの作業には踏み込むことはありません。その危険な領域にまで踏み込んだのこの作品です。そのモティーフは、キリスト教の日本への侵入とそれへの抵抗とcollaborationです。歴史書ではなくドキュメンタリーというものでもありません。たくさんの書物をこの角度から読み直して、そこに著者が直感から得たデザインと推理を補強する状況証拠を探した作品です。でも状況証拠の積み重ねは、選択的... ¥ 1,995


天皇のロザリオ 上巻 日本キリスト教国化の策謀
   鬼塚 英昭,成甲書房
 
 思い込みの激しい、強引な推論が重なるので途中何度も投げ出しそうになったが、結局2週間ほどかけて上下巻を読了した。内容は、副題の通り。  敗戦直後、国家神道の解体や天皇の戦争責任回避、マッカーサーの思い入れなどが交錯する中で、天皇のキリスト教改宗が議論の俎上に上ったことは事実だろう。当時の状況では、西洋文化に親和性のある人材が政治の中枢に引き入れられやすく、クリスチャン比率も高まっただろうから、日本をキリスト教国に…という空気が相当の範囲で醸成されていたとし... ¥ 1,995


聖書vs.世界史―キリスト教的歴史観とは何か (講談社現代新書)
   岡崎 勝世,講談社
 
不思議なのはこの世界がいつ始まったかについて考えないといけないそうです。 そんなことよりごみ処理の問題を考えるべきかもしれません。 ¥ 777