文芸作品
聖女の救済
   東野 圭吾,文藝春秋
 
ドラマではお馴染みの、柴咲コウ演じる内海薫刑事が出演している今回の長編。とは言え、前に出すぎることなく、草薙刑事と湯川博士と3人、良いバランスで話が進んでいく。 聡明で美しい人妻が、離婚を切り出した夫を殺害する。最初からそれを示唆する場面が出てくるにも関わらず、その妻には鉄壁のアリバイがあった。帯にある「これは完全犯罪だ」という言葉の通り、湯川博士ですら殺害のトリックを解き明かすことができないまま話は進んでいく・・・。 今回のストーリーで印象に残っているのは.. ¥ 1,700


ガリレオの苦悩
   東野 圭吾,文藝春秋
 
長編に慣れていたせいか、とても物足りなく感じた。 どの話も随分単純ですぐに解決している。 タイトルの苦悩というのも、この本に収録されている話に限った事ではないだろう。 長編に魅了され、期待が大きくなりすぎていたために肩すかしな印象を受けたのかもしれない。 ただ事件の特異性やトリックに対する科学知識の絡み方は、やはり興味深く、楽しめるものだった。 これらの一つずつを、もっとじっくりと読みたかったと思う。 ¥ 1,600


イノセント・ゲリラの祝祭
   海堂 尊,宝島社
 
チームバチスタの栄光から海堂さんの作品を読みはじめ、 ジェネラル、ナイチンゲール、螺鈿と読んできました。 (田口白鳥コンビ作品) 今作は今までの作品と若干趣を別にし、異常なエーアイ押し。 舞台も、病院より厚生労働省の会議室メイン。 死因不明社会での主張を、こっちのメインストリームに持ってきた感じ。 (まあ死因不明社会も白鳥・別宮の対話形式で進むわけですけども) 単に物語として今まで楽しんでいたのに、 正直興味のない医療問題メインに話が展開。 いや、主張そのものに.. ¥ 1,575


夢をかなえるゾウ
   水野敬也,飛鳥新社
 
成せばなる成さねばならぬ何事も。結局このことにつきるのやと思います。そこを既に成せる人たちは読んでも当たり前やんと思うだけなんやろうけど私のようになかなか成せないと思てる人には正直ドキリとして一気に読んじゃいました。ただ確かに悩みの質は軽すぎると思うし誰が読んでもそこそこ共感できるってことで売れそうな要素があるが故に賛否両論ってことなんでしょう。ただ軽く悩んでいる人の後押しになる本じゃないでしょうか結局どの啓発本とも同じでやるかやらないかなんですけどね ¥ 1,680


容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7)
   東野 圭吾,文藝春秋
 
 なぜ石神は自殺しようとしたのか?自殺を決意するまでの悩みはどのようなものだったのか?  その悩みは、誰にも理解できない高度の?異質の?悩みなのか?  ひとりの罪のないホームレスの命まで犠牲にして献身に努めた背景となる石神の死の決意は、「自分なんてこの世に存在していても意味がない」などという薄っぺらで、ありきたりでだれもが時に抱くような感情の揺れの描写で片づけられた。  この作品の最も大切な部分だと思うのだが・・・ ¥ 660


「あ、安部礼司~beyond the average~」脚本集SEASON1
   安部礼司,エフエム東京
 
3時間以内で売り切れですか?! ちょっと早すぎませんか?また買い損ねましたよ・・orz ¥ 3,150


流星の絆
   東野 圭吾,講談社
 
東野圭吾作品ということで、あまり期待しすぎないほうがいいと思います。 事件の伏線もあり、犯人の動機も矛盾はないのですが、全体にうすい内容という印象がします。 三人兄妹の「絆」でストーリーが展開していくのですが、ほろりとさせられるようなエピソードもなく、何より登場人物の少なさが気になります。3ヶ月ごとに始まるテレビドラマのようです。意識して書いたとは思えないのですが。 「手紙」で、運命の過酷さ、切なさに大感動したので、同じ作家の作品とは思えませんでした。 ¥ 1,785


告白
   湊 かなえ,双葉社
 
終業式での、女性教師の「殺人者がクラスメイトにいる」と、なんともセンセーショナルな告白から始まる物語。娘を失った女性教師の平静は、常軌を逸した憎悪に満ちている。読者ははからずも「これから怖いことがおこる」ワクワク感の渦にはまるも、次行ごとにその期待をゆうに超えてしまうおもしろさの連続。一方では、こちらの思惑を裏切る、あっけない展開であったりする。著者はその筆致が相当にすごく、読ませる技に申し分がない。 殺人犯とそれに加担した人物、母親達、熱血教師やクラス委... ¥ 1,470


蛇王再臨 アルスラーン戦記13 (カッパ・ノベルス)
   田中 芳樹,光文社
 
「隋唐演義」や「岳飛伝」などの素晴らしい中国文学の翻訳で再評価されている田中芳樹氏の 最近の刊行作品のひとつです。古い「タイタニア」などの作品は未成熟で低レベルではありますがこの作品は成熟し、 氏の極めて高い力量に感動できるでしょう。個人的にはこういったシリーズはどうでもいいからまた偉大な 中国文学を無知な日本人に広めてほしいところです。とはいえ、シリーズの未読の人はもちろんファンなら買って損は無し ¥ 880


奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家木村秋則の記録
   石川 拓治,幻冬舎
 
もちろん、人にはそれぞれ持って生まれた個性、天性とでも云うべきものがあると思います。そういう面で考えれば誰もが木村さんのようにはできないのかもしれません。 この方の’すごみ”はひとつのことにのめり込むと徹底してやり続けること。決してあきらめないこと、負けないこと。思えば木村さんは本当に幸せな方かもしれません。ここ数年の中では間違いなく最高に感動した本です。お勧めです。多くの方に読んでほしいです。 ¥ 3,365