歴史全般
ローマ人の物語 (12) -迷走する帝国
   塩野 七生,新潮社
 
十数年前に始まったローマ人の物語が遂に大団円を迎えようとしています。その予感を感じさせる内容となっています。塩野七生さんもかなり迷走しながら今まで走ってきたと思います。しかし遂にその行く末が見えた、あるいはその結末を書く覚悟が出来たのではないでしょうか。 ローマ時代というと大掛かりで大層な歴史と敬遠する方が多いと思いますが、これはそのまま日本のこれからのあり方を示していると思います。ここまで走ってこられた塩野さんの脚力(腕力?)に賞賛を送ります。 ¥ 2,940


新選組 (岩波新書)
   松浦 玲,岩波書店
 
当時、大河ドラマ「新撰組!」の便乗本であったにも関わらず、思想史家が纏めただけあって近藤勇の動向から新撰組を見つめている。この本に触発されたのが、宮地正人氏の歴史のなかの新選組である。 近藤勇の持つ「尽忠報国」というキーワードから新撰組を歴史としてスポットライトを浴びせた本とも言える。この本以降、歴史としての新撰組と創作としての新撰組が分離したといっても過言ではない。寧ろ、読者層のニーズとしての分離は必然であったのだろう。 不満を言うと、作中でも語られてい... ¥ 777


数量化革命
   アルフレッド・W・クロスビー,小沢 千重子,紀伊国屋書店
 
 欧州での中世から近世へと移行するに際し 物事の「数量化」と「視覚化」が大きな役割を果たした点を解明する一冊である。 既に「数量化」「視覚化」を前提とした現代に生まれた小生ゆえ 「当たり前」であることが 実は「革命」であったという本書は 目からうろこが落ちる思いである。歴史の本を読む楽しさの一つは 自分が持っている常識が いかなる経緯で常識となっていったのかが分かる点であると思っている。 また 本書の特色としては 数学、音楽、絵画、会計という 現代人から見... ¥ 3,360


戦国15大合戦の真相―武将たちはどう戦ったか (平凡社新書)
   鈴木 眞哉,平凡社
 
本書では桶狭間の戦いから大阪冬・夏の陣まで、戦国時代から選ばれた14合戦と、江戸時代初期の島原の乱、それらを合わせて15大合戦と称している。川中島の戦いと島原の乱以外は信長・秀吉・家康の何れかが一方の当事者である合戦が選ばれており、厳島の戦い等は選ばれていない。したがって、本書は戦国時代終盤から江戸時代初期にかけて、合戦の観点から眺めた天下人たちの戦略・戦術の要約ということができるだろう。いかにこれまで通説とされてきたもの(例えば長篠の戦いでの鉄砲三段撃ち... ¥ 798


武士と世間 なぜ死に急ぐのか 中公新書 1703
   山本 博文,中央公論新社
¥ 777



「唱歌」という奇跡 十二の物語―讃美歌と近代化の間で 文春新書 (文春新書)
   安田 寛,文藝春秋
 
明治維新によって政府はキリスト教礼拝音楽を中心とする外来音楽の流入という事態を受けて、国民の歌を自ら管理するようになる。文部省は「蝶々」などの唱歌という新しい歌を作り出し、国民教育によって浸透させた。その際、キリスト教の影響を避けることができず、唱歌の旋律に賛美歌のものを使用して「むすんでひらいて」「蛍の光」を作り出した。その一方では「さくらさくら」といった擬古曲を作成したり、「かぞえ歌」を利用したりして、国粋音楽文化を保持するという課題にも応えようとした... ¥ 714


私はヒトラーの秘書だった
   トラウデル・ユンゲ,足立 ラーべ 加代,高島 市子,草思社
 
「ナチスやヒトラーが悪と思わなかった、今なら当時の自分を許せない」とありますが、戦時下に秘書として採用されたのに彼等の実情を全く知らないというのはどういう事か?「若かったから」で済む問題ではない。それに20代に書いた手記を死の直前に出版して罪滅ぼしをしたつもりなんでしょうか?本書を原作とした映画の中でも最後に弁解がましい発言連発してるのも不満です。崩壊寸前の第三帝国の内情やヒトラーの人間性の描写は資料的価値はありますが、やはり「なんで今更?」って感じが強い... ¥ 2,100


世界一周の誕生−グローバリズムの起源
   園田 英弘,文藝春秋
 
日文研という、一味かわった研究者が集う場で働く著者。やはり一味かわった 作品がコレ。 文字通りの「世界一周」(イギリス〜アメリカ合衆国〜東アジア)が可能に なった19世紀中頃の英米・技術発達史を、エピソードゆたかに扱う。 主には、電信の歴史、そして蒸気機関の粋を集めた鉄道・船の技術史。 これって、僕たちのような一般読者には触れる機会も関心もなかった ような歴史の「すきま」。そうしたニッチをうま〜くついている本書は、 主に英語文献をあたりながら、それらの発達史を要... ¥ 735


日本帝国の申し子高敞の金一族と韓国資本主義の植民地起源 1876-1945
   カーター・J・エッカート,小谷 まさ代,草思社
¥ 2,520



対比列伝ヒトラーとスターリン〈全三冊〉 第一巻
   アラン・ブロック,鈴木 主税,草思社
¥ 4,095